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一輪の花(BLEACH)

一輪の花(浮竹十四郎)第八話

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浮竹が吼えるように叫んだ。
「藍染!」
藍染は笑みを浮かべた。
「取るに足らぬ小さな棘でも、取り除いておくに越した事はないからね」
浮竹は千雪の身体を抱いた腕に力を込めた。

京楽はからかうような口調で言った。
「いいのかい、ボスがこんな所にのこのこと出て来て」
蔑みのまなざしで、藍染は京楽を見た。
「ここには、私を脅かすものなどない」
「どうかな」
宙に踊りあがった京楽の死覇装がたなびき、その手は斬魄刀を抜いていた。藍染の前に一体の破面が立ちはだかり、京楽の刃を受け止めた。
「ウルキオラ、女が先だ」
藍染が言った。

京楽とウルキオラの間にヤミーが割って入った。
「お前は、俺が潰す!」
京楽はヤミーの太い腕をかわした。口元の笑みは消えていなかった。
「やってみろ、デカいの」
次々に繰り出されるヤミーの拳を、京楽は二刀一対の斬魄刀で受け止めた。他の破面達も降下して向かって来た。
「やれやれ、面倒な事はゴメンこうむりたいんですがね」
浦原はつぶやいた。
「啼け、紅姫」
半身を砕かれた破面が地面に叩きつけられた。

浮竹の腕の中で千雪が身じろぎをした。見開いた目が浮竹を見上げた。浮竹は千雪の顔を覗き込んだ。
「千雪、大丈夫か」
浮竹は愛しさを込めて言った。
「はい、十四郎さま」
藍染はそれを聞きつけた。
「ほう、お前の女か、浮竹」
浮竹は顔を上げ、宙の藍染を睨みつけた。

浮竹の胸の中に何かが切れたような感覚が走った。
「・・ぐ、ぐほっ!」
千雪の胸に紅い花が散った。ウルキオラの手が千雪を掴んだ。阻止しようとした浮竹は、身体を折り曲げ、咳込んだ。
「ぐ、ぐほっ!こ・・こんな時に・・ぐほっ!」
口元を押さえた浮竹の両手の指の間を鮮血が伝った。

奪い取られた千雪の義骸が砕け散った。千雪の本体をウルキオラは抱え込んだ。ウルキオラは宙を駆け上がり、藍染の手に千雪を渡した。
「姉妹揃って私の手にかかるのも、何かの縁だろう」
「藍染!やめろ!」
浮竹は叫んだ。千雪の身体を藍染の片手が貫き、千雪の背中から藍染の手が突き出ていた。びくびくと千雪の身体が痙攣した。
「千雪!」
己の血に染まった手を浮竹は空しく宙に差し伸べた。
「十・・四郎・・さ・・ま」
千雪の身体は塵の如く飛散し、消えた。

「千雪・・ぐほっ!」
再び咳込んだ浮竹は血を吐き続けた。愛する者を救えなかった罰の如くに。死神の姿となり他の破面と戦っていた一心は、破面の一体が咳込む浮竹に向かうのを見た。今の一心には完成された破面二体を相手にする余裕はなかった。

「ぐぇぇっ!」
浮竹の背後で悲鳴があがった。浮竹が振り向くと、霊子の矢に射抜かれた破面がそこに転がっていた。その向こうに竜弦が孤雀を構えていた。竜弦は更に宙に矢を放った。藍染は身軽に避けた。
「滅却師か、これはますます面白い」
次々に放たれる矢を避けながら、藍染は楽しそうに笑った。そして天空高くその姿は消えた。藍染の後を追い、破面達も夜空へ消えた。

浦原の姿は何処へか消えていた。義骸に戻った京楽は浮竹に肩を貸した。現れた門を通り、二人の姿も消えた。

歩き始めた竜弦の背中に、一心は言った。
「奴が、すべての元凶らしいぜ」
竜弦は硬い声で言った。
「係わるつもりはない」
一心は一護達には決して見せた事のない、悲痛な面持ちをしていた。
「たとえお前がどう思おうと、戦いは始まっている」
竜弦は立ち止まった。しかし背中を見せたままであった。
「興味はない」
竜弦は空を仰いだ。
「だが・・見逃す訳にはいかん時も、あるかも知れんな」
一心の顔に微かな笑みが過ぎった。そして彼も冷たく月の輝く空を見上げた。

たった今、一輪の花が散った空を。


(続く)


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