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一輪の花(BLEACH)

一輪の花(浮竹十四郎)第六話

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「おぬしは何をやっておる」
猫の夜一は不機嫌だった。畳にカリカリと爪を立てた。傍らに座り込んだ浦原喜助は帽子に手をやった。
「いやぁ、ちょいとした手違いがあったんスよ」
浦原は脱いだ帽子のほこりを払いながら言った。
「すぐに保護するつもりだったんスが」
「向こうでも、あやつを尸魂界内の刺客から逃すつもりで、現世に送ったのじゃろうがな」
浦原は帽子を被り直した。
「こちらも安全というわけではないっスからねぇ」
「どうするつもりじゃ」
「どうするもこうするも・・今は成り行きを見守るしか」
夜一は呆れたように押し黙り、丸くなって目を閉じた。

十三番隊の隊首室に仙太郎と清音が走り込んで来た。浮竹は部屋にいた。滅却師十字を手に物思いに耽っていた。清音が勢い込んで言った。
「浮竹隊長!瀬能の霊圧を感知したそうです」
仙太郎が続けた。
「やはり、空座町でした!」
浮竹は立ち上がった。
「私が行こう」
清音が両手を広げて遮った。
「だ、駄目ですよ。そのお体で穿界門を通るなんて、無茶です」
浮竹はいつもの温厚な顔で二人を見たが、その声には断固とした響きがあった。
「私の部下だ、私が迎えに行く」
歩いて行く浮竹の後ろを、二人は慌てて追って行った。

いつの間にか浮竹と肩を並べて歩く者がいた。華やかな女物の着物が翻った。
「一緒に行ってやるよ」
「京楽」
京楽春水は後ろを振り返り、二人に言った。
「だから、心配するな」
浮竹は前を見たまま、小声で言った。
「すまん」
「たまには、現世の花も見たくてね」
いつもの様に飄々と、京楽は言った。

竜弦は表へ出た。一心も続いた。空の気配は、はっきりとこちらへ向かって降りて来た。仮面から半ば露出した大きく歪んだ顔、長く引き伸ばされたような手足。それはただの大虚ではなかった。
「破面か」
一心がつぶやいた。
「その女を渡せ」
破面は霊力がある者には聞こえる声で言った。軋んで耳障りな声だった。空を見上げて竜弦は言い放った。
「断る」
しゅうしゅうと長い舌を宙に振り回し、それは笑った。
「たかが人間が、何を言う」
次の瞬間、うねる舌が根元から吹き飛んだ。悲鳴が空一杯に響き渡った。竜弦の手には孤雀があった。
「滅却師か!」
破面は長く変形した腕を伸ばし掴みかかろうとした。竜弦の姿が消えた。霊子の流れに乗り、高速で移動したのだ。破面の背後に竜弦はいた。
「たかが人間だが」
霊子の矢をつがえた孤雀を手に竜弦は言った。
「貴様如きには負けん」
放たれた矢が破面の身体を貫き、破面は消滅した。

何事もなかったかのように地面に降り立った竜弦を見て、千雪を背負った一心が言った。
「お前が、死神を守るなんてな」
「馬鹿を言うな」
竜弦は一心にくるりと背を向けた。
「私は、不愉快な物を掃除したに過ぎん」
そして自分の家に向かって歩き出したその背中に声をかけた者がいた。
「お待ち下さい」
白く長い髪が、夜風になびいていた。


(続く)


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