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魔界都市シリーズ

(終)魔界都市日記 十四

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◯月◯日

「終ったよ」
のんびりとした若い声がした。

いつのまにか現われた黒いコート姿が、病室の壁に寄り掛かっていた。そちらをちらりと見て、ドクターは悩ましげな目付きをした。私の目の前のこの二つの美貌は、はたして神の物であろうか、それとも悪魔の・・どちらにせよ、魔界都市の深き寵愛が注がれているのには変わりない。この青年にだけは、魔界医師も人間らしい反応を示すらしかった。 私に向けられた顔には、その様な気配は微塵もなく消えていた。
「奴は償いをした」
その意味が理解出来ぬほど、私は鈍感ではなかった。
「あとは君だ。君を元に戻そう。だが、『今の君』は消えてしまう。その記憶も残らない。それでもいいかね」

今の私は偽りの私。

でも”今の私”には、これが本当の私なのだ。短い時間であっても、この新宿で多くのものに、多くの出来事に出会った。せめてこの”私”の見たものを残してやりたい。

「ドクター、お願いが・・」




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(日記帳の最後に走り書きがしてある・・)


私はルュスト。

旧友メフィストとの旧交を温めた新宿に別れを告げ、今は欧州に戻る空の旅にある。彼には世話になった。別れ際に、彼は一冊の赤い皮表紙のノートを渡してくれた。この街の思い出に、と彼は言った。ふと思い出して、それを鞄から取り出してみた。 始めの頁に「『魔界都市日記』もう一人の私の為に」と、書かれていた。

確かにそこにいたのもまた”私”だった・・・


(終)


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