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魔界都市シリーズ

魔界都市日記 十三

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◯月◯日

「気がついたようだね」
白い美貌が覗きこんでいた。まだ夢の中にいるのかと思った。それは美と言う言葉すら、はるかに超えた顔であった。ドクター・メフィストは、白いローブと光る黒髪を翻した。
「後でまた診察に来る。それまで休んでいたまえ」
ドアの閉まる音がした。私はぼんやりと、記憶の底から蘇る出来事をながめていた。ここは確かにメフィスト病院の病室だった。あの長老の孫が私をここへ運んでくれたに違いない。今は深く考える気力はなかった。とりあえずはここなら安全だ。私は再び眠りの中に落ちていった。

「気がつかずに失礼した。ルュスト嬢。どうも女性の顔を覚えるのは不得手でね」
目覚めた私にドクターはそう言った。私はベッドの上で半身を起こした。
「ルュスト、それは誰ですか?」
「君の名だ。あの魔術師が君から奪った。今の君の人格は、奴の植え付けた偽物だ」
「私の、本当の名前?」
「そうとも。我が師ドクター・ファウストが『水晶の娘』と呼んだ君の本当の名前だ」

魔界医師は淡々と語った。

私は「新宿」に到着してすぐに師によって誘拐されたのだ。そして記憶を封じられ、別の人格を植え付けられた。
「君が初めてここに連れて来られた時は確証がなかった」
私の中に残した針金が、すべてを伝えてくれたのだと、ドクターは言った。
「あれも、師が仕組んだものだと?」
「君の力を引き出すのに失敗したのだ。その後始末に私を利用した」
薄い微笑が白い顔をかすめた。
「私の・・ちから・・」
「ルュストはこの世で唯一人、魔を無力にする力を持つと言われている。夜香君が君を支配する事がないのも、その為だ。この魔界都市は文字通り『魔』の創造した都市なのだ。その根源である力が消失したら」
「・・魔界都市が消える?」
「左様」
白い医師は頷いた。黒髪がさらさらと白いケープに流れた。
「魔界都市が誰にとっても有益というわけではない。人間はいつもそうだ。どんなものであっても」
「そんな事、『新宿』が許すわけはないわ!」
私は思わず叫んだ。


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