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魔界都市シリーズ

魔界都市日記 二

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◯月◯日

師の使いでガーレン・ヌーレンブルク宅へ行く前に、高田馬場の駅前の喫茶店「アイン」で約束の時間まで一休みした。

すりきれた臙脂色の紛い物のペルシャ絨毯、濃茶の椅子と卓の並ぶ店内は回りが良く見えない程に暗いが、どうやら人少なである様だった。私の他はカップルが一組、私の目の前に黒い服の背中を見せている男性が一人。

フォーレが流れていた。合成の安物珈琲を味わいながら「レクイエム」を聞いていた。おかしい・・・音楽に混じって声がする。

・・・れ・・くな・・おまえ・・かげ・・もらう・・

体の異変に気がついた時は、もう自分の意志では動けなかった。 妖物であるにしても、私の手にはおえない。体が溶けて黒い液体となり、椅子にのめり込んでいく様な感覚がひろがる。

・・・おまえ・・からだ・・もらう・・・

ソプラノのソロに重なり、歯車がきしむような声が聞こえてくる。段々と意識も闇に飲み込まれ、店内の暗さが更に暗くなる。もう駄目だ・・・

一筋の閃光が走った。

あたりは元に戻った。ソロは美しい声で神をたたえている。 カップルは相変わらず二人の世界でじゃれている。目の前の背中は消えていた。


「あんた、『影つき』にあったね」
一歩、部屋に入った途端、大魔道士は言った。
「よく助かったね。あんた程度の腕では祓えない相手さ。人の影にとりついて、生命を吸い取る妖物さ」
主人の隣につつましく立っていた人形娘が、つと手を伸ばし私の髪に触れた。そうして、主人にその指先につまみあげた物をうやうやしく差し出した。その指先には常人には見えない何かがあった。
「ほう、あんたは運が良かったよ。どうやら天の助けがあった様だね」
私の髪にからみついていたのは、細さすらもはや存在しない不思議な糸であった。

私は黒い背中を思い出した。見覚えのある背中だった。私は黒衣の天使に救われたのだ。

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