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摩天楼に風は吹く(TIGER&BUNNY)

摩天楼に風は吹く(SKY HIGH)1

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屋上で、スカイハイは頬を風に打たれていた。金髪が風にかき乱される。風は彼に操られるのを待っている。ヘルメットをかぶる前、しばしこうして世界を眺めるのが、彼の習慣だった。世界は新しい秩序の中にあるが、悪もまだそこに存在する。今の彼には単純だった頃の高揚感はない。それでも正義がある事を人々に忘れて欲しくない為に、彼はヒーローでいるのだ。キング・オブ・ヒーロー、風の魔術師、幾多の名で呼ばれるままに。


今の彼は会社から独立した存在だった。不動産その他、幾つかの収入の口がある。警察や司法から要請があれば、応じる。今も毎夜のパトロールはかかさない。悪を見つければ退治する。困っている人がいれば助ける。孤独な胸に、痛みを感じる時はある。だが、去った彼女を恨んではいない。彼女は彼の生き方を傷つけない事を選んだ。ヒーローであり続ける事は、彼女への愛の証でもあった。ヘルメットをかぶると、彼は天空へと舞い上がった。


それも運命だったのか。ふと、ひとつの窓が気になった。その地区に良くある高層ビルで、大抵はマンションになっている。吸い寄せられるように、スカイハイはその窓へと近付いた。大きな窓、ブラインドは下ろしていない。白い敷布に覆われた寝台。横たわる一人の女性。スカイハイの心臓が高鳴った。あれから六年が過ぎていた。宙に静止したまま、スカイハイはその女性を見ていた。間違えるはずはなかった。彼の生涯でただ一人、愛した女性を。


何かを感じたのか、彼女は窓の方に顔を向けた。窓の外に、コートをはためかせて佇む影を、彼女の目が捉えた。彼女はゆっくりと起き上がった。よろよろとおぼつかぬ足取りで彼女は窓に歩み寄った。白く長い寝巻の身体は、彼の記憶よりも痩せて見えた。やつれた頬を見て、彼の胸は切なさでいっぱいになった。それでも、彼女は彼女だった。窓に手を付き、彼女はガラスに顔を寄せた。スカイハイはヘルメットを脱いだ。


ガラス越しに片手を合わせた。彼女の瞳を、彼は見た。彼の瞳を、彼女は見た。ガラス越しに唇が重なった。冷たい感触が、彼の理性を呼び覚ました。彼は目を開けた。間近に愛しくてたまらなかった顔があった。彼はそっとガラスを押した。彼の身体が後ずさった。彼女は見ていた。六年前と同じ緑の瞳で。ヘルメットをかぶると、スカイハイは身を翻した。そして加速した。ヘルメットの中で、彼は泣いた。


生きていると信じていた。あの事件の後、誰も彼女について彼に話そうとはしなかった。彼も聞かなかった。終わった恋だと忘れようとした。摩天楼の間を飛びながら、彼は胸の痛みに耐えていた。終わってなどいなかった。今でも愛している、彼女だけを。彼の正義を守る為に、自らの手を汚した女性。罪を抱いて、彼の前から消えた女性。今の彼女が幸せなら、彼は胸の痛みを一人で耐えようと思った。だが、あの瞳は・・今も彼を愛していると、彼だけを愛していると告げていた。


(To be continued,may be....SKY HIGH)



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