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摩天楼に風は吹く(TIGER&BUNNY)

摩天楼に風は吹く(SKY HIGH)10

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ヘリオスエナジーのオーナー室からは、ジャスティスタワーとゴールドステージが見渡せた。ネイサンはソファにしどけなく座り、向い側の安楽椅子のスカイハイを見た。ジーンズにジャンパーの軽装である。
「隣に来ればいいのに、ツレないわネ」
「何故、彼女があそこに?」


ネイサンはちらりと流し目を送った。
「調べるのに、随分と手間がかかったわ。お礼、もらってもいいわよネ?」
「お礼?」
「そうねェ、一晩アタシと濃密な夜を過ごすってのは、どぉ?」
スカイハイは頷いた。
「君が望むならそうしよう、そうしてもいい」
「アラ、本気?」
「私はその方面は不得手だが、恩を仇で返すわけにはいかない」
「律儀ねェ」
「彼女の為だ。私にもっと勇気があれば・・勇気があれば、あの時・・」

不意に堰を切ったように、スカイハイは激しい口調で語り始めた。
「私は人助けが使命だと思っていた。だが、所詮は会社に雇われただけの人間なのだと思い知った。どんなに力を持っていても、苦しむ彼女一人、助ける事が出来なかった。無力な私、何がヒーローだ、愛する女性一人さえ、幸せに出来ずに」
俯いて彼はむせび泣いた。堪えていた苦悩が一気に涙と共に溢れ出した。


ネイサンは立ち上がると窓辺へと移動した。しばらくの間、彼の泣くにまかせていた。嗚咽がおさまると、ネイサンは言った。
「馬鹿ネェ、そんな湿っぽい男に抱かれたら、アタシの炎まで湿っちゃいそうじゃない」
ネイサンはわざと陽気に笑った。
「もう、ガチガチに真面目なんだからァ。冗談のひとつも言えやしない」


「あの建物はネ、ホスピスよ」
「ホスピス?」
「治療の見込みのない病人が、安らかに最期を迎える為の場所よ」
「では、彼女は」
「・・長くないわネ」


刑期中に彼女の健康状態が悪化した。原因は不明だった。彼女は模範囚だった。彼女自身がテロの被害者である事、警察の武器が使用された事への責任回避と保身から求刑が重くなった事も明るみに出て、刑期は短縮された。


「そのまま、病院へ運ばれたのが二年前」
「知らなかった」
「仕方ないわよ」
出所時に保護プログラムが適用された。彼女は別の名前と経歴の人物となった。以前の知り合いと連絡を取る事は禁じられた。彼女自身がそれを望んだ。
「彼女の病気は?」
「あのコの能力が原因だったの。相手の治癒力を活性化させるのではなく、自分の生命力を分け与えていたというか、何かそんな感じだそうよ。本人も解っていなかったみたい」
「そんな」
(うちの店の花は、長持ちすると評判が良いの)
彼女の声が、彼の脳裏によみがえった。
「身体中がボロボロで、後はいつまでもつか」


「ねェ、自分を責めちゃダメよ」
「ああ、でも」
「あのコの病室、丁度、貴方が飛ぶ高さにあるンじゃない?」
彼はあの時の光景を思い出した。大きな窓、白い寝台に横たわる彼女。
「貴方を待ってたんじゃないの?貴方が見つけてくれるのを」
ガラス越しに重ねた手、重ねた唇。
「彼女の願いは叶ったのよ。貴方は、彼女を見つけた」


(To be continued,may be....SKY HIGH)



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