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摩天楼に風は吹く(TIGER&BUNNY)

摩天楼に風は吹く(SKY HIGH)7

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ジョンの散歩のコースを変更して、彼は、彼女の花屋の方へと向かった。ゴールデン・レトリーバーに運動はかかせない。散歩は大切な日課となっていた。彼自身、街を歩くのは、良い気分転換になっていた。人々の穏やかな暮らしぶりを見る事は、その平和の一端を担っている己への励みにもなった。


彼女は店先にいた。大きな花瓶の花を入れ替えていた。彼女の姿を見ると、スカイハイの足取りは重くなった。気持ちは急くのに、側へ行き辛い。二つの感情が彼の中で揺れていた。彼女が彼を見つけ、笑顔で会釈した。それに勇気付けられ、彼は大股で店まで歩いていった。
「やあ」
我ながら間が抜けた挨拶だと思った。
「こんにちは、ワンちゃんのお散歩ですか」
今日の彼女は髪をまとめ上げていた。清潔な襟足が好ましかった。白いブラウスの袖をまくり上げ、淡いベージュのエプロンをして、白とピンクの霞草の入った花瓶を抱えていた。彼女にその花はとても似合っていた。思わず、彼は言った。
「綺麗だね」
「うちの店の花は、長持ちすると評判が良いの」
「そうなんだ」
スカイハイは彼女の事を言ったつもりだった。伝わらないのがもどかしかった。彼女は花瓶を抱きしめ、愛しげに花に顔を寄せた。


いきなり、ジョンが吠えた。


驚いた彼女の手から、花瓶が滑り落ちた。花瓶は砕け散り、白とピンクの花が石畳に散らばった。水が黒い染みを広げていった。ジョンは、何かに怯えた様に吠え続けた。
「ジョン、やめなさい!ジョン!」
彼はジョンを必死でなだめた。こんな事は初めてだった。ほとんど吠える事のない犬だった。うろたえる彼女の様子も気になったが、彼はリールを引き寄せ、ジョンの体を押さえるのに精一杯だった。ジョンが大人しくなると、彼女はかがみこみ、花瓶の破片を拾い始めた。まだ衝撃から脱け出せないのか、指先が震えているのを、彼は見た。
「すまない」
「いえ、気にしないで」
彼女は、あっ!と小さな悲鳴をあげた。破片に傷ついた指先から、真っ赤な血があふれ出していた。
「私、自分の怪我は治せないの」
彼女は、ひとりごとの様につぶやいた。


彼は待ち合わせの場所に急いだ。今日は犬を連れていない。ピンクの薔薇の花束を抱えている。夕暮れの公園の噴水の側のベンチで彼女は待っていた。彼女の前で彼は頭を下げた。
「すまない、昨日はすまなかった」
彼女は首を左右にゆっくりと振った
「いえ、いいのよ。あれは・・私が力を使うと、時々あるの」
「犬が?」
「何故かは、解らないけれど」
彼女の指に巻かれた包帯が痛々しかった。


彼は花束を彼女に差し出した。
「君へのお詫びの印だ」
花屋に花なんてと、ネイサンに言われそうな気がしたが、彼には他に良い物を思いつく事が出来なかった。彼女はうれしそうに受け取った。彼女は本当に花が好きなのだと、彼は思った。
「ありがとう、綺麗ね」
「綺麗なのは、君だ」
彼はどこまでも真面目だった。そして熱かった。
「君は美しい、そして素晴らしい!私は・・君が好きだ、大好きだ!」
彼女の前に跪き、彼は彼女の手をその大きく温かな手で包むように握った。
「私と付き合ってくれないか?」
彼女は、戸惑った顔をしていた。
「私の事が嫌いなら、正直に言ってくれ」
「私達、まだお互いに良く知らないわ」
「だから、もっと知りたいのだ。知る為の時間を私にくれないか」


彼女は微笑した。
「私も、貴方の事が知りたいわ」


(To be continued,may be....SKY HIGH)



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