更新履歴

さわりを読む▼をクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので、久しぶりのご訪問の方はこちらで未読・既読のご確認ができます

日付別の更新チェックはカレンダーの日付をクリック ▼

2012 101234567891011121314151617181920212223242526272829302012 12

【  2012年11月  】 

スポンサーサイト

スポンサー広告

--.--.-- (--)

 全文を読む

魔界都市日記 六

魔界都市シリーズ

2012.11.29 (Thu)

 ◯月◯日その日は夏至だった。 一年の内で最も太陽が力強い日。その日の為に、あらゆる力の源は呼応する。魔道士も魔術師も闇に沈む妖術師達も、その活力を各自の神殿に召喚するべく儀式を執り行なう。年に一度の大いなる流れが移り変わる時。アストラルの世界で多くの力がせめぎあい荒れ狂うその流れに、未熟な者はたちまち飲み込まれてしまうだろう。師は私に留守番を言いつけ、何処へか出かけていった。 意識を閉じていても、力の...全文を読む

魔界都市日記 五

魔界都市シリーズ

2012.11.28 (Wed)

 ◯月◯日突然の雨に見舞われて、私は大久保通りにある喫茶店「伯爵」で雨宿りをする事にした。この店に一歩足を踏み入れた途端、私はひどく場違いな自分に気付いた。日本語はまったく聞こえない。同じ東洋の種族であっても大陸の言葉が耳朶をうつ。彼等の視線をさける様に、店の隅の窓際の席に着いて薄汚れたメニューをひ広げていると、韓国人のボーイが、かたことの日本語でオーダーを取りに来た。アイスコーヒーを頼んで、買ったば...全文を読む

魔界都市日記 四

魔界都市シリーズ

2012.11.27 (Tue)

 ◯月◯日今日は満月だった。眠れる魔性が目覚めるのか、夜気はざわめきに満ちていた。戸山住宅の夜は、不思議な活気にあふれていた。私は胸の銀の十字架に軽く触れてみた。ここはかえって外よりも安全な気がしていたのだった。ここには一つの危険しかないが、ここを出れば無数の危険があるのだから・・・ 高田馬場から箱根山近くの家まで、戻る途中の近道に、ここを抜けていこうと思ったのだった。私は空を見上げた。 (満月・・・き...全文を読む

魔界都市日記 三

魔界都市シリーズ

2012.11.23 (Fri)

 ◯月◯日職安通りからしばらく行った児童公園で、不思議な物を拾った。大人のこぶし程の大きさの宝石である。透明な光の結晶の中に七色の炎がきらめいていた。石にくわしくない私でも、逸品だとわかる。しかし・・それよりもその妖しくゆれる炎が何か強力な力を放っているのを感じた。見ているだけでめまいがしそうだった。私はそれを師の元へ持ってゆく事にした。 「君はこれを手にして、何か感じなかった?」 師は黒いビロウドの布...全文を読む

魔界都市日記 二

魔界都市シリーズ

2012.11.20 (Tue)

 ◯月◯日師の使いでガーレン・ヌーレンブルク宅へ行く前に、高田馬場の駅前の喫茶店「アイン」で約束の時間まで一休みした。すりきれた臙脂色の紛い物のペルシャ絨毯、濃茶の椅子と卓の並ぶ店内は回りが良く見えない程に暗いが、どうやら人少なである様だった。私の他はカップルが一組、私の目の前に黒い服の背中を見せている男性が一人。フォーレが流れていた。合成の安物珈琲を味わいながら「レクイエム」を聞いていた。おかしい・...全文を読む

魔界都市日記 一

魔界都市シリーズ

2012.11.16 (Fri)

 ◯月◯日(師の用事で高田馬場から新宿追分まで行く)明治通りを新宿駅へ歩く。途中の横道に入ると、しばらくは普通の民家が並んでいる。 今日はとても暑いので、機械人間の中には湯気を立てている者もいた。身体の何処かに安い部品でも使っているらしい。このあたりはもぐりの改造を行なう業者が多い所。 向こうから炎天下なのに豪華な毛皮のコートをまとった女性が歩いて来るのが見えた。その毛皮に負けない位のゴージャスな美女。...全文を読む

魔界都市・紫煙の報復

魔界都市シリーズ

2012.11.12 (Mon)

 私はゴロワーズに火を点けた。ここは高層マンションの最上階。私は眼下に広がる街を窓から見下ろした。きらびやかな高層ビルと荒廃した土地が混在する『新宿』の街並みを、夜の闇が染めて行く。煙草の強い香りの中で、その風景は異国の街に変貌する。私の暮らした幾多の街。さざめく悪意、疲れた希望、陶酔と苦痛のカクテルの中で、人々は日常を怠惰に或いは何かに追われるかの如くに生きていた。紫の煙を吐き出しながら、私は今日...全文を読む

魔界都市・真珠色の朝

魔界都市シリーズ

2012.11.08 (Thu)

 <新宿>の夜は、安全地帯といえども油断は出来ない。夜のみ出現する怪異も多いからである。うごめく妖物、邪悪な魔人、改造生物、サイボーグ、そして人間。あらゆる物が危険をはらみ、闇の中に潜んでいる。新大久保の駅前から脇道に反れると民家が密集している。深夜はどの家も鎧戸を堅く閉ざしている。たとえ何物かに襲われて助けを求めても、開く窓はない。その危険な夜の道を行くひとつの影があった。昼下がりの公園でも散歩す...全文を読む

魔界都市・暗夜の旅人

魔界都市シリーズ

2012.11.05 (Mon)

 「夜のにおいがする・・」彼は私を後ろから抱きしめ、私の髪に顔を埋めていた。 そして、くぐもった声で言った。 「酒、煙草、香水、そして・・血のにおいがする」 バーのカウンターのストゥールに腰かけたまま、私は答えた。 「『新宿』の匂いよ」 彼は顔を起こした。 「君も、あそこから来たのか」 渋谷の駅から少し離れ、立ち並ぶ邸宅を抜けると、魔法の様に現れる夜の為の店がある。門灯はあるが、金色に縁取られた店の名は闇...全文を読む

魔界都市・真紅の楽園

魔界都市シリーズ

2012.11.01 (Thu)

 「そんな色じゃあ、ないんだ」店員の薦めたネイルエナメルを見て僕は言った。 「でもお客様、こちらではこれが一番赤い色ですが」 「いや、いいんだ。ありがとう」僕はデパートを後にした。 裏通りに入ると、夜道はさすがに静かだ。児童公園に差し掛かり、ある気配を感じて僕は立ち止まった。 「兄さん」声は頭上からした。翼の影が僕の上に落ちた。黒い三揃いの青年が僕の前に立った。僕と良く似た面差しの青年が。「何故、帰って...全文を読む

前月     2012年11月       翌月

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。